引き抜き加工とは?その特徴や種類・押出加工との違いを徹底解説!

製造業

引抜加工とは

引抜加工とは、製品を加工するときに使用される加工方法の一種です。

引抜ダイと呼ばれる金型の穴の中に素材を入れて引っ張ることで断面をきれいにしていく加工方法です。

 

一般社団法人日本アルミニウム協会では以下のようにまとめられています。

引抜加工とは、素材を加熱することなく室温で素材をダイスの狭い孔に通して引抜くことによって加工する冷間加工方法です。引抜く素材は一般に押出材が多く用いられます。
引抜は一般的に押出形材よりも細くて寸法精度がよく、表面のきれいな製品をつくることができます。この方法によって主として管、棒がつくられますが、これらは引抜材と呼ばれています。

引用元:一般社団法人日本アルミニウム協会「引抜加工」

 

引抜加工の例

 

引抜加工の特徴

引抜き加工の特徴は、0.02mm単位で加工を調整することができることです。

そのため、細い部品や製品でもきれいに加工することができます。

ただ、サイズが丸型など制限があるため製品の形状によっては使用するとができないことがデメリットです。

 

引抜加工と押出加工の違い

押出加工とは

押出加工とは、熱で温めた上で専用の機械を使用して強い圧力を与えて加工していく加工方法です。

一般社団法人日本アルミニウム協会では以下のようにまとめられています。

押出加工はアルミニウムやアルミ合金を400~500℃の熱間で押出す加工方法です。一般には円柱の鋳塊(ビレット)を押出機を用いて、強い圧力を加えて各種の形状をもつダイス穴から押出して、細長い加工製品(押出材)をつくります。
この方法によると、他の加工法では製造することがむずかしい中空品や複雑な断面形状の製品でも、1回の押出工程で容易につくることが可能です。また寸法精度の非常にきびしい形状の製品をつくることもできます。

引用元:一般社団法人日本アルミニウム協会「押出加工」

引抜加工と押出加工の違い

引抜加工と押出加工の違いは様々ありますが、大きな違いは高温の熱を加えて加工をするか否かにあります。

細かな調整が可能な引抜加工と大きな加工が可能な押出加工は、用途や形状によって使い分けられます。

 

引抜加工の種類

引抜加工は、加工方法によって種類が異なります。

それぞれご紹介していきます!

①単純引抜加工

文字通り単純に引抜材を出し入れして加工する引抜加工の中でもっとも一般的な加工法です。

単純引抜加工は、押出加工で加工した鋼線の10~35%、軟質材料(アルミニウムなど)においては、20~50%の割合で断面を小さく加工することができます。

②管の引抜加工

管の引抜加工は、ストローなどの中が空洞の加工などに使用される加工方法です。

管の引抜加工さらに用途によって加工方法があります。

・空引き(そらびき)

→外径を小さくすることを目的に使用される加工方法。

・心金引き(しんがねひき)

→ダイスの内側に心金(しんがね:管を広げるため端に押し込む金具のこと)を固定し、厚みをコントロールしながら、管の内面も圧迫してなめらかに仕上げる工法のこと。内側と外側がともに美しい仕上がりになるのが特徴。

・浮きプラグ引き

…心金を固定しないで、自動的に正しい位置に配置されるようコントロールし、引き抜く工法のこと。比較的細い管を製造するのが目的。

・マンドレル引き

…マンドレル(mandrel:心棒、回転軸)と言われる工具を使って行う工法のこと。金属バットのような薄肉の管の加工に適しており、外径を減少させると同時に厚みも薄くできるのが特徴。

このほかにも、引抜に使用する工具(ダイ)によっても製造結果が変わります。

ダイの形状や引抜加工での温度や材料を引っ張る条件、加えて引抜加工後の熱処理によって線材の機械的特性を変化させることができるので、ターゲットとする数字に材料を近づけることができるのも特徴です。

③ローラーダイスによる引抜き加工

一対の孔型ロールに線を通して引き抜く工法のこと。ローラーそのものは回転せず、材料が引き抜かれる際に発する摩擦力によって回転します。

小さい力で引抜くことができるので、摩擦熱の減少が期待でき、不必要な変形等が防げるのが特徴。

④タークスヘッド引抜加工

上下左右に配置されたローラーダイスに線を通して引抜く工法のこと。断面を自由に変形できるのが特徴で、たとえば丸棒から角棒への加工も可能です。

⑤ダイレス伸線加工

ダイスを使わない加工法。材料を加熱しながら引っ張ることで径を小さくし、急速に冷やすことで寸法を安定させます。ダイスとの接触で焼きつきが発生するような材料の引き延ばしに使われます。