【イベントレポート】“理系人事勉強会” 新卒データサイエンティストに刺さったアピールとは!?

イベントレポート

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みなさんこんにちは、先日、9/25(木)に株式会社ARISE analyticsの佐々木様、株式会社ビジネスリサーチラボ、伊達様をゲストに“理系人事勉強会”を開催いたしました!

今最も採用競争率が激しいと言っても過言ではないデータサイエンティストをコンスタントに採用することができているARISE analyticsさんに、ここでしか聞けない採用手法のあれこれを赤裸々に語っていただきました。

今日のポイント

①スカウトサービスでの採用に知名度は関係ない!?
②オファー文で研究に触れること採用学の見地からも正解だった!
③学生が企業選びの決め手にするのは一緒に働く人!

登壇者紹介

佐々木 彰様

株式会社ARISE analytics Chief Workstyle Director
会社設立時よりARISE analyticsに参画。
データサイエンティストを統括するScience Division Directorとして事業立ち上げに貢献。
現在は、Chief Workstyle Directorとして、「データサイエンティストが世界一働き易い環境を作ること」をミッションとし、人材の採用・育成・エンゲージメントを中心に、PR・人事制度・ファシリティ・システム環境まで幅広く担当。

伊達 洋駆様

株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役
神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、HR領域を中心に調査・コンサルティング事業を展開し、研究知と実践知の両方を活用したサービス「アカデミックリサーチ」を提供。2013年から採用学研究所の所長、2017年から日本採用力検定協会の理事を務める。共著に『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』(ナツメ社)

~オープニング~

なぜ“理系”人事勉強会なのか?

理系学生、とりわけAI人材やエンジニアの採用はここ数年、あの手この手で各社が競い合っている。成功しているのは知名度がある会社や最先端の技術を扱っている会社ばかり。

では、なぜ理系学生の採用は難しいのか。
①研究室とのつながりが作れていない、作り方がわからない
②理系学生の母集団形成は通常の学生より難易度が高い
③そもそも理系学生が就活に積極的ではない

このような背景があると言えるでしょう。
どのような手段がそれぞれの問題に有効か。理系採用を科学するために“理系”に特化した人事コミュニティを発足させました!

~パネルディスカッション~

コーポレート組織立ち上げ期になぜLabBaseでの新卒採用を決めたのか

POL岸本:早速パネルディスカッションに入っていきたいと思います!
まず佐々木様、なぜLabBaseを導入したのか、教えていただけますでしょうか?

佐々木様:POLさんを知ったきっかけは紹介でした。代表の加茂さんを紹介いただきLabBaseというサービスの内容、加茂さんが思い描く未来に非常に共感して商談が終わった後すぐに申し込むことを決めたのを覚えています。また、新卒採用を始めてみようと考えていたタイミングであったことも申し込む大きなきっかけにはなりましたね。

伊達様:初めての新卒採用、苦戦すると思われていましたか?それとも成功させるイメージを当初から持たれていたのでしょうか?

佐々木(以下、敬省略):新卒採用が初めてだったことに加え、コーポレート組織の立ち上げも同時に進めていたので採用にかけられる工数も限られていたので一人採用できれば成功と考えていました。
とはいえ、その一人を採用するのが大変なのが今の採用市場。他の企業と同じような取り組み方では負けるという危機感もありましたね。

オファーで学生が研究してきた内容に触れるのは科学的にも正しい

伊達(以下、敬省略):近年の採用市場は学生有利。中でもARISE analyticsさんがターゲットとする情報工学の分野は大手企業からベンチャーまで人材の獲得競争が激しいと思います。名だたる企業に負けずに人材を確保できた理由や工夫したポイントがあれば教えていただけますか?

佐々木:採用活動開始時の大きな課題は知名度不足でした。それはLabBaseを導入したからといって解決できる問題ではないですよね?登録している学生にオファーを送ったとしても知らない企業からのアプローチに返信してくれる人は多くはないでしょう。

そのため一番最初は「いかに返信してもらうのか」という課題を設定しましたね。

伊達:逆求人型のサービスだと定型化されたメールを候補者に送ってしまい、全く返信がないというケースも多く見られます。佐々木さんは文面にどのような工夫をされましたか?

佐々木:研究内容をきちんと読んで、学生が最も力を入れているポイントに触れるように心がけています。

伊達:採用において企業は数百人、数千人の学生を見なければいけないのでどうしても流れ作業のようになるケースがあります。そのため、就活生は「企業から一人の人間として扱ってもらえていないのではないか?」と不満を抱えていることも多いんですよね。
自分が時間をかけて行ってきた研究に言及してもらえるのは、こういった不満を解消してくれるという意味でも非常に大きな意味を持っていると言えるのではないでしょうか?

これまでの研究において、「自分が入社後に上手くやっていけると思える企業」を選びやすいことが分かっています。学生時代の研究内容が仕事内容と関連していることを示せば、「この会社に入ったら、やっていけるかもしれない」と感じるきっかけになるかもしれません。そういった点でも研究内容に触れるというのは非常に効果があることだと言えるんですよね。

Web面談には物理的な距離と同じくらい心理的距離がある

伊達:オファーで研究に言及することの大切さについて解説させていただいたのですが、とはいえ一人一人の研究内容理解し、ポイントを抑えた文章を作成するのは非常に時間がかかると思うのですが、そこはどのように工夫しているのでしょうか?

佐々木:そこはLabBaseの検索機能でフィルタリングをかけることでターゲットを絞り込んでます。弊社であれば「統計、機械学習、Python、R」などが検索候補になります。絞り込めたら、研究内容を見てオファーを考えるようにしています。

伊達:オファーを送った後はどのようなステップを用意しているのでしょうか?

佐々木:基本的には直接会う機会を設けるようにしています。
最近はWeb面談なども普及してきて非常に便利なのですが、会社の魅力付けをオンラインで行うのはすごく難しいなと感じているんですよね。
直接会えば自分たちのビジネスモデル、業界での立ち位置などをきちんと伝えることができると考えているので直接会うようにしています。

伊達:直接会って話すのとWeb上で完結させてしまう方法、実際に体感された違いはありましたか?

佐々木:かなり感覚的な意見になってしまうのですが、対面だと学生が考えていることやこちらの話が理解できているか、響いているのかを雰囲気でつかむことができると考えています。
それが画面越しになると一気に温度感が感じづらくなってしまい、物理的な距離と同じくらい心理的な距離を感じるケースが多いです。

伊達:インターネットを媒介したコミュニケーションと対面でのコミュニケーションの間に違いがあるのかという研究が行われたことがあり、対面で話す方がより多くの情報を取得できることが分かっているんですよね。
これは採用活動においては特に大切な要素で、学生にとっては自分にあった会社なのか、社風や社員の人柄を実際に見てもらう必要があります。
とりわけ知名度に課題を感じている企業だと、学生の頭の中では「知名度が高い=良い会社」となりがちなのでそこを覆す意味でも、魅力付けの部分を量的にも質的にも大きな情報を提供できる対面で行うのは非常に効果的だと思います。

面談はキャリア相談を受けるような感覚で

伊達:面談ではどのようなことをお話しされるのでしょうか?

佐々木:実際に会社に来ていただき、会社の概要や将来の展望など一般的な会社説明を行いつつ自社以外にも、業界全体のお話をするように心がけています。
やはり会社説明に終始してしまうと押し売り感が強いですし、学生には勉強になったと思って帰ってもらいたいですからね。

伊達:自社以外のお話というとどのようなことを話されるのですか?

佐々木:今、データサイエンティストはコンサルや事業会社などあらゆる業種で求められている人材なのですが、コンサルと事業会社では実務内容が大きく異なってきます。
学生の志向によってコンサル向きなのか、事業会社向きなのか、もしくは弊社が一番合っているのか、そういったキャリア相談のようなお話をすることが多いですね。

伊達:私も職業柄いろいろな企業の採用担当者さんとお話をすることがあるのですが、採用が上手くいっている企業の共通点の一つとして「学生ファースト」の傾向が強いことが挙げられます。
学生の志向を踏まえた上で紹介することも考えられるので、自社の採用という観点で考えると遠回りのような気がするかもしれないのですが、学生から見ると信頼のできる人事がいる会社と思ってもらえるので、会社としての魅力は高くなります。

会社を選ぶ最後の決め手は「人」

伊達:学生の志向を踏まえたアドバイスを提供することで、自社に合った人材が来る確率も格段にアップするというわけですね!その後のフローで工夫されていることはありますか?

佐々木:お会いした学生一人一人に必ず、今まで述べたようなお話をさせてもらって、弊社に合いそうな方には社員とあってもらう機会を用意しています。社員と会ってもらったうえで、選考に進むか希望を聞いて、この段階で初めてエントリーシートをもらうような流れですね。
なので、工夫している点で言えば、エントリーシートは学生のことを理解している状態でもらうようにしている部分になりますね。

伊達:会社の雰囲気を伝えるのに社員と話をしてもらうことは有効です。しかし、通常の業務もある中でどのように現場の方を巻き込んでいるのでしょうか?

佐々木:個別に「~日に採用イベントあるから出席してくれないか」と声をかけたり、出席してもらう社員が所属するチームのリーダーに許可をもらったりはしていますが、何か特別なことを行っているということはありませんね。

伊達:イベントで話をしてもらう社員はどのように決めているのですか?

佐々木:参加してくれる学生の出身大学や学部が同じような社員に声をかけるようにしていますね。あとは、仕事を楽しんでいる社員かという点も重視しています。
やはり学生は社員の喋り方などから仕事が楽しいのかなど、社風を機敏に察知するのでポジティブに会社や仕事のことを話せる人をアサインするようにしています。プロジェクトによって楽しい時もつらい時もあるのでそういった雰囲気を察知するのも重要ですね。

私はもともとデータサイエンティストを統括する役割も担っていたので社員のバックグラウンドや業務内容の知識はあるので、そういった情報を有効に活用しながら社員を巻き込んでいます。

伊達:仕事や会社に対して愛着を持つ社員をアサインすることは科学的にも意味があるんですよね。日本の就活は2~3カ月の勝負になることが多く、その期間内で会社のことをすべて理解してもらうのは不可能でしょう。そのような状況において、学生は「人」を見て、その会社や仕事を理解しようと努めます。

裏を返せば、会社説明会など学生と交流する場でネガティブな発言をしてしまう社員をアサインすると、会社のイメージもネガティブなものになる可能性があります。社員の心理的な状況や性格面を把握することは人事にとって不可欠な能力なのではないでしょうか。

~質問コーナー~

ここからは会場のみなさんからお二人への質問に答えていただきました!

質問①データサイエンティストを志望する学生の会社判断の決め手は何?

佐々木:2020卒の学生からよく聞かれたのは「会社が何を目指しているのか」をよく聞かれました。近年、データサイエンティストを採用する企業が増え、多くの会社が技術力を売りにしている中でARISE analyticsはどのように差別化を図るのかという将来像を問われるケースは多かったように思います。
そこに対してはARISE analyticsはあくまでもデータは社会の課題を解決する手段ととらえている。だから技術力だけではなく、ビジネススキルも身に着ける必要性があるよと説明しています。

質問②同業他社の採用動向や労働状況の変化といった情報はどのようにアップデートしているの?

佐々木:一番参考になるのは中途採用時の面談だと思います。
採用時の面談が一番フラットに相手の企業の情報を聞くことができるので競合他社にはどのような人材が多いのか、といった情報は常に蓄積しておくようにしています。

質問③なぜ新卒採用に舵を切ろうとしたのか?

佐々木::データサイエンティストの採用市場が厳しいからですね。
中途採用も行っているのですが、そちらも若手の採用に切り替えています。
実際に数カ月中堅クラス、プロジェクトを管理できるクラスの方を採用しようと様々な採用手法を使ってみたのですが採用することができなかったのでそういった方を採用するよりも新卒や若手を採用して育成していく方が懸命だと判断しました。

最後はピザを囲みながら交流会を行いました!

皆様ご参加ありがとうございました!