バーリング加工機『バーリングタッパー』の特徴についてどこよりもわかりやすく解説します!
製造業

目次
1.バーリング加工とは
バーリング加工とは素材に穴をあけた後に、その穴の縁を円筒状に伸ばす加工方法で、「フランジ加工」や「穴フランジ加工」と呼ばれることもあります。
主にネジのはめ込み口の強化のために使用されます。
2.バーリング加工のメリット
バーリング加工には以下3つのメリットがあります。
- コスト削減
- 汚れにくく、長期的に使用が可能
- 強度が高い
コスト削減
バーリング加工を使用するメリットの1つはコストの削減です。
一般的な溶接では、薄い素材の加工は難易度が高く比較的厚さを取った上で加工を行う必要があります。
一方でバーリング加工を使用することで、薄い素材でも加工が可能なため、素材のコストを下げることが可能となります。
汚れにくく、長期的に使用が可能
バーリング加工を使用するメリットの2つ目は、汚れにくく長期的に使用可能な点です。
一般的な溶接と比べて、細かな加工が可能なバーリング加工では、素材を滑らかに加工することができるため汚れが溜まりにくくなります。
強度が高い
バーリング加工を使用するメリットの3つ目は、強度が高い点です。
一般的な溶接では2つの素材をつなぎ合わせて加工を行います。一方でバーリング加工では、1つの素材を加工していくため、強度が低くなりやすいつなぎ合わせ部分がなくなります。
2.バーリング加工の種類
バーリング加工の方法は以下2種類あり、それぞれの特徴を表にまとめました。
特徴普通バーリング加工タップ穴に利用クリアランスは板厚と同じ値フランジ縁部が板厚より薄くなるしごきバーリング加工位置決めやかしめに利用クリアランスは板厚より小さいフランジ肉厚が均一内外径の加工精度が良い
順に解説していきます。
(1)普通バーリング加工
普通バーリング加工とは、クリアランスを板厚と同じ値にして加工する方法です。主な使用用途は、ネジとの締結として使用するタップ穴で利用されています。
クリアランスは【「バーリングの中心直径(dm)」-「下穴径(d)」/2)=板厚】となるよう計算します。
通常は、部品図にバーリング加工の指示寸法「バーリングの中心直径(dm)」と「高さ(h)」が記載されており、その値をもとに「下穴径(d)」を算出します。
普通バーリング加工の特徴は、フランジの縁部分が材料伸びの影響で板厚より薄くなります。
(2)しごきバーリング加工
しごきバーリング加工とは、クリアランスを板厚より小さくして加工する方法です。主な用途は、位置決めやかしめ用のピンとして利用されています。
「下穴径(d)」を小さくし、板厚の60~70%程度のクリアランスにすることが一般的です。
しごきバーリング加工の特徴は、フランジの肉厚が均一にでき、フランジ高さを普通バーリング加工より高くすることが可能です。
またフランジ肉厚は板厚より薄くなりますが、内外径の寸法精度が良いという特徴があります。
3.バーリング加工機の導入事例
ここではバーリング加工機の導入事例をいくつか紹介します。導入に向けての参考にご覧ください。
(1)パイプ材のバーリング加工
パイプ材をバーリング加工する導入事例です。しごきバーリング加工後に別のパイプを差し込んで溶接することで、パイプ同士の溶接を容易におこなえるようになります。
(2)板金の複合加工
プレスやバーリング加工などを1台に集約した機械を導入した事例です。1台でさまざまな加工が可能なため、専用機を別々に1台ずつ導入する必要がありません。
(3)銅管バーリング加工の自動化
銅管のバーリング加工を自動化した機械を導入した事例です。複数ある穴を自動で加工が可能なため、人が手作用でセットするより速く・正確に加工が可能です。
5.バーリング加工機を開発する主要メーカ
ここからはバーリング加工機を独自で開発しているメーカと主力製品を紹介します。どのようなメーカがあるかの参考にご覧ください。
(1)株式会社富士機工
油圧プレス機やNCパンチプレス機など板金やパイプ材の加工機を開発し販売している企業です。
金型の製造が得意な企業で、10,000社余りの企業と取引があるため板金加工の豊富な知識を持った技術者が多い会社です。
主力製品は「バーリングタッパー」で、この機械1台でバーリング加工とタップ加工を自動化することが可能です。1度の操作でバーリング加工とタップ加工が連動するため、タップ忘れによる不良を防止し、品質が向上します。
またタッチパネル式の操作盤で簡単に設定変更でき、コの字に曲げた板金のバーリング加工ができるのが魅力の機械です。
(2)株式会社アマダ
レーザ加工機やプレス加工機などの金属加工機械を開発し販売している企業です。
世界中に販売拠点があるため、海外でも安心して機械を使用できます。
主力製品は「EM-MⅡシリーズ」で、パンチングマシンにタップユニットを追加した機械です。穴あけや切断・タップ加工を1台に集約し、加工工数を削減することが可能です。またACサーボモータを対向に設置し、同時に駆動させるため高速かつ正確に動作するのが魅力の機械です。
(3)荒木技研工業株式会社
パイプ材のバーリング加工機を開発し販売している企業です。
40年以上かけて培ったバーリング加工技術を活かした機械を販売している会社です。
主力製品は「TSUBASA」で、25A~300Aまでと幅広いサイズの配管に対応した機械です。
また母材の配管と同径の加工が可能で、近接している部分でもバーリング加工できるのが魅力の機械です。