【7種類】溶着とは?できることや加工の種類を分かりやすく解説

製造業

溶着は食料品や医薬品の包装や容器、自動車や家電の電子部品などにも使われている、樹脂(プラスチック)や金属を溶かしてつける接合技術です。

溶着はどのような仕組みで接合される技術なのか、溶接との違いについて、そして溶着加工の種類について分かりやすく解説します。

溶着とは

溶着とは熱可塑性樹脂や非鉄金属を接合するための技術です。

熱可塑性樹脂とは高温で軟化する特徴を持つ樹脂です。ポリプロピレン・ポリエチレン・アクリロニトリル ブタジエン スチレン・アクリル・ポリアミドなどの樹脂が該当します。

非鉄金属とは鉄や鋼以外の金属の総称です。アルミニウム・マグネシウム・チタン・銅・スズ・亜鉛・鉛などが該当します。

溶着接合の仕組みはシンプルです。接合したい2つの材料を熱で溶かし、圧力を加えることで溶け合った部分が溶融、その後の冷却で凝固し接合させます。この一連の工程、加熱能力・加圧力・冷却能力により、接合強度や仕上げの風合いが変わるため、適切な接合手法や条件の選定が大切です。

溶接との違いについて

溶接と比較される接合技術に溶接があります。両者の違いは溶融させる場所です。

溶着は接合面に熱を持たせて溶融させるのに対し、溶接は接合面の外部から熱を与え溶け込みを作ります。

そのため、接合後の外観に違いがあり、外部から接合部を見られないのが溶着、見られるのが溶接の特徴です。

 

溶着の特徴

設計通りの接合強度を達成し、製品に求められる外観の風合いを実現するためには、溶着の要素を知る必要があります。

溶着で重要な要素について詳しく解説します。

 

加熱と加圧、冷却のバランスが重要になる

溶着の工程には、2つの材料の接合面に熱を与えるを加熱、熱で溶融した材料を接合するための加圧、溶融部を固定するための冷却があり、接合強度と美しい仕上がりを得るためには3つの工程のバランスが重要です。

加熱能力・加圧力・冷却能力それぞれが果たす役割について解説します。

 

加熱能力

溶着のため最初に必要な工程は、材料の接合面を加熱し溶融することです。

接合したい材料への熱の与え方は、「外部加熱」と「内部加熱」の2種類に分けられます。

「外部加熱」とはヒーターなどの熱源を用いて、熱伝導により材料を加熱する方式です。シンプルな加熱方法ですが、熱伝導で材料の溶融温度まで到達させるには時間がかかります。

一方「内部加熱」は振動や摩擦などにより材料の内部から発熱させる方式です。接合部分だけを加熱でき、短時間で材料の溶融温度まで到達できる特徴があります。

 

加圧力

加熱により溶融した材料同士を分子レベルで結合させるために必要なのが、加圧力です。

加圧力が高いと溶着に要する時間が短くなる傾向があります。ただし、高すぎる圧力は材料の変形や十分な接合強度が得られないなどの原因になり注意が必要です。

加圧力は材料や溶着面を考慮して、最適な条件に調整する必要があります。

 

冷却能力

材料同士を結合させた後は、冷却により強固な接合に仕上げます。

冷却が不十分で材料が再凝固する前に加圧力が開放されると、接合面に気泡が発生したり、接合面が膨らんだ状態で固まったりし、十分な接合強度が得られない場合があり注意が必要です。

冷却能力と生産性を考慮して、必要十分な接合状態が得られる冷却時間に調整する必要があります。

 

 溶着の代表的な3種類

溶着は最初の工程である材料を加熱する方法にさまざまな手法があります。溶着したい材料の大きさや形状、仕上がりの風合いに求められる外観などにより最適な手法が変わります。

それぞれの手法の特徴を理解して、設計通りの接合強度と風合いを実現できる最適な手法を選びましょう。

本記事で紹介する代表的な溶着方法は下記の3つです。

- 高周波溶着

- 熱溶着

- 超音波溶着

 

高周波溶着

高周波溶着は、高周波の電界作用で材料の分子同士の衝突・振動・摩擦を起こし、自己発熱により加熱する内部加熱方式です。

主に次のような特徴があります。

- 加熱時に振動がなく外観の仕上がりが美しい

- 必要な部分のみ加熱でき溶融までの時間が短い

- 溶融時に騒音が発生せず安全性に優れている

溶着後の外観、風合いを重視する製品に適した接合方法です。

 

熱溶着

熱溶着は、熱板・コテ・熱風など外部からの熱源を接合面に当て、熱伝導により材料を加熱する外部加熱方式の溶着技術です。

主に次のような特徴があります。

- 外部熱源を用いるため大きな部品にも対応できる

- 材料に直接熱をあて溶融させるため溶着強度が強い

- 熱伝導のため材料の温度上昇に時間を要する

大きな部品や溶着強度が要求される製品に適した接合方法です。

 

超音波溶着

超音波溶着とは、超音波振動により材料の接合面に摩擦熱を発生させ加熱する内部加熱方式の溶着技術です。

主に次のような特徴があります。

- 超音波による強力な摩擦熱で溶着時間が短い

- 溶着時間が長すぎると炭化現象により強度低下する

- 超音波条件により材料に傷やクラックが入る場合がある

小型部品や接合面積が狭い部品に適した接合方法です。

 

溶着のその他の4種類

溶着の工法には、代表的な3種類に加え他にもさまざまな工法があります。接合部の形状や面積、設計的に求められる接合強度や外観の風合いから最適な工法を選出する必要があります。

さらに4種類の接合工法について紹介します。

 

レーザー溶着

レーザー溶接とは、レーザー光を接合面に照射し発熱させて、材料を加熱する内部加熱方式の溶着技術です。レーザー溶接に適した材料には制約があり、光源側はレーザー光の透過材、もう一方は吸収材にする必要があります。

主に次のような特徴があります。

- レーザー光で溶着部を制御するため緻密な溶着ができる

- 接合時に振動がなく部品へのダメージが少ない

- 接合部のみ発熱するため歪など熱の影響が出にくい

精密な接合を要求される部品の溶着に適した接合方法です。

 

スピン溶着

スピン溶着とは、部材を加圧しながら高速回転させることにより摩擦熱を発生させて、材料を加熱する内部加熱方式の溶着技術です。回転させることから接合面の形状は円形になります。

主に次のような特徴があります。

- 溶着面が円形でつながり気密性を確保しやすい

- 強力な摩擦熱のため溶着時間が短い

- 溶着装置がコンパクトである

接合面の形状が円形である配管などの部材に適した接合方法です。

 

振動溶着

振動溶着とは、部材を振動させることにより摩擦熱を発生させて、材料を加熱する内部加熱方式の溶着技術です。

主に次のような特徴があります。

- 溶着面を振動させる方式のため大型部材でも可能

- 強力な摩擦熱のため溶着時間が短い

- 溶着面が3次元形状の場合は適応が難しい

接合面積が大きい大型の部材に適した接合方法です。

 

熱カシメ

熱カシメとは、ボスを外部から加熱、加圧し変形させることで接合する溶着技術です。ネジ留めの難しい箇所などに使用されます。

主に次のような特徴があります。

- 溶着のためカシメ過ぎによる歪や破損を抑制できる

- ネジ留めができない狭い部分の溶着が可能

- 熱や振動の影響が少なく電子部品を実装しての溶着が可能

薄型部品のカシメに適した接合方法です。

 

溶着機メーカ5選

最後に、溶着機の導入や溶接に関する相談におすすめなメーカを5社紹介します。

 

日本エマソン株式会社 ブランソン事業本部

(引用:日本エマソン株式会社 ホームページ)

日本エマソン株式会社 ブランソン事業本部は、50年以上にわたり幅広い接合技術を開発してきた経験を有しています。複雑なアプリケーションにも対応した質の高い接合技術の導入を支援してくれるメーカです。

住所:神奈川県厚木市岡田4-3-14

TEL:046-228-2881

URL:https://www.branson-jp.com/

 

株式会社カイジョー 

(引用:株式会社カイジョー ホームページ)

株式会社カイジョーは、半導体の組立実装プロセス向けのワイヤーボンダー事業で培った高精度な超音波溶着技術を有しています。豊富なソリューションで溶着に関するお困りごとを解決してくれるメーカです。

住所:東京都羽村市栄町3-1-5

TEL:042-555-2244

URL:https://www.kaijo.co.jp/odm/ultrasonic-welding-lab.html

 

株式会社レーザックス

(引用:株式会社レーザックス ホームページ)

株式会社レーザックスは、CO2・YAG・ファイバーなど多様なレーザ設備を保有する受託加工メーカです。加工を委託したい場合や他工法とレーザとを比較したい場合に相談に乗ってくれるメーカです。

住所:愛知県知立市新林町小深田7番地

TEL:0566-83-2229

URL:http://www.laserx.co.jp/jobshop.html

 

デュケインジャパン株式会社

(引用:デュケインジャパン株式会社 ホームページ)

デュケインジャパン株式会社は、さまざまな樹脂溶接に関し40年以上の経験と実績があります。いくつもの世界初技術があり、超音波・振動・スピン・熱板など多くの溶着機を取り揃えているメーカです。

住所:千葉県柏市根戸206-3 北柏ビル1F

TEL:04-7136-2165

URL:https://www.dukane.jp/

 

精電舎電子工業株式会社

(引用:精電舎電子工業株式会社 ホームページ)

精電舎電子工業株式会社は、溶着に必要な3つの波動エネルギー「超音波」・「高周波」・「レーザ」をコアテクノロジーとして保有しています。溶着溶断装置と応用加工技術を総合的に提供できるメーカです。

住所:東京都荒川区西日暮里2-2-17

TEL:03-3802-5101

URL:https://www.sedeco.co.jp/

 

まとめ

溶着で大切なことは、加熱・加圧・冷却のバランスです。材料の物性、設計的に求められる接合強度や外観上の風合いなども考慮して、最適な接合方法の選択と条件の最適化が重要です。

 

さらに生産現場では、製造タクトも考慮した溶着装置の細かい調整が必要になることでしょう。

 

本記事で紹介した、高度な溶着技術と豊富な経験を持つメーカであれば、お客様の現場特有の課題に対応したサポートや提案を期待できます。

 

ぜひ溶着手段の検討段階からメーカへ相談することをおすすめします。